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『脅かして悪かったネ。
よくぞ此処まで参った、
ニンゲンよ。』
塵芥
『ここは一つ、灰皿を共にしながら語り合わないかい?
此処まで訪ねて来るモノと言うのが久しいのだ、
少しばかり暇潰しに付き合ってくれたまえ。
代わりと言っては何だが、キミの聞きたいコト…
そうだな、此処まで来たのだから僕の話でもしよう。』
〜 Break Time 〜
彼の神 "塵芥"
『僕は煙草を愛するしがない
カミサマさ。
呼び方?その辺りは
キミの自由で構わない。
カミサマはその様な
小さなコトには拘らないのサ。
軽率に信仰してくれ給え。
神には信仰が必要だからネ。
あぁそうそう、
ニンゲン界的には "推す" と
表現するのだったカナ?』
彼の神は語る。
『先ずは恐れ知らずなキミに
一つ知恵を授けようか。
あまり不用意に「いあいあ」
等と言うべきでは無いのだと。
キミの目的が僕との邂逅で良かった。
その目的が無ければキミの目の前には
名状し難き悪意が…
おっと、キミは真相までは知らないで良い。
純粋なままの、今のままのキミで居ておくれナァ。
僕にとっては其方の方が良い。』
そして、煙草に口付けて云う。
『故に僕の前以外での詠唱…
いや、
口にするコトは勧めないヨ?』
煙をすぅっと、ひと吐きする。
『そうだネェ、今後の展望トカ…
それっぽいコトでも
述べておくとしようか。
僕はクトゥルフ神話TRPGや
様々なゲームに趣深くてネェ。
それらを配信していきたいなと
思っているヨ。
現段階でCoCシナリオは6本、
ゲームは5本程配信したいモノが
有る次第だ。
良きモノは皆で共有したくは
ならないかい?
そんなカンジで、したいコトは
た〜くさんあるのサァ。』
トントン、コンコンと
吸い殻を灰皿へ置いてやる音が響く。
『あぁ、そうそう。
僕の好き嫌いなんかについても
聞きたかったりしちゃう?
…まぁ返事が
無くとも語るのだけれど。
僕は小説やコミック等の文献や
ゲーム及び映像作品に至るまで、
様々なモノに興味が有る。
ニンゲン界とは、
興味深いモノが豊富で感心する。
オカルトや甘いグルメ、
特にカカオ菓子なんかも好きサ。
嫌いなモノは…えっと…
言葉の通じぬモノと苦いモノと…
あっと……タスクが嫌いダァ…。 』
思い出したかの様に、
ポツリと呟く様な声が響いた気がした。
『それと、ニンゲンくんも大好きサ。
これは忘れちゃあいけないネェ。 』
「気がした」と云ったのには理由がある。
…記憶が朧げなのだ。
思えばその時、声の主はどの様な表情をしていたのだろうか。
私は其方を向けなかったのか、見えなかったのか…
とにかく表情についても、いや、声色からも感情を感じ取った記憶も無い。
まぁ恐らく、悪いモノでは無かったのだろう。
あぁそうだ。
悪いモノなはずが無い。
対等な会話をしようと試み、
あんなにも純粋な笑顔を向ける存在が邪神等とは、
全く笑わせてくれる。
何処の何奴がそんなことを言ったんだ。
私はこの先の”ボタン”とやらから無事に帰れるらしい。
帰ったら皆に、あの言葉とあの存在についてを教えてやろう。
「いあいあ ×××××」
…おや? 私は、なにをしていたのだ。
ナニと相対していたのだ。
自己紹介? いや 違う、そんなもの聞いていない。
アレは何だったのだ。
正体は何なのだ。
それについて私は一言も聞いていな
…見られている。
ナニかに見られている気がする。
出なくては、此処から、
『言っただろう、人の子よ。
"深淵を覗く時、深淵も等しく其方を覗き見やる"のだ、
其れは時に”名状し難き悪意が…”と。
他者からの忠告は、よく聞くべきモノである。
早くお戻り、深淵にとって喰われる前に。 』
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